Purple Audio MC77

永きコンプの歴史の中で燦然と輝くシリーズの一つ、1176シリーズ、他にも代表的なCompといえば

FairChild 660,670辺りでしょうか?

そのVintage BlackFace 1176の回路を再現したというPurple Audio MC76,そのMC76にSideChain回路を搭載させたものがMC77です。

海外でも評判が高く、気になっていたCompです。

スペックを見て行きましょう

入力段はインピーダンス 600Ωのトランスバランス XLR入力です。出力もやはりトランスバランスXLR 出力Zは150Ωです。

Input,Outputは∞-0dBで可変です。

Attack Timeは20~800μSecで、Release Timeは50mSec~1.1Secです。

国内正規品ですが、117Vでの使用が推奨です。おそらくトランスなどを交換すると音が変わってしまうのでしょう。

最近はこういった製品も多く発売されていますので117Vを扱うのはさほど大変では無いでしょう。

今回は電源はKOJO TECHNOLOGY Aray6 MKII Customの後、AR-1215Jを経由、117Vに昇圧して使用しました。

ちなみにですが、100Vで使用すると音痩せやノイズの原因となりうるとのことです。

完全業務機、という製品ですしスタジオ機材ですのであまり問題にならないのかもしれません。

操作感などは通常の1176と大きく変わりません。

パネルは基本的にはUniversal Audio 1176LNと同じですが、Side-Chainなどを搭載していますので、リアパネルは異なります。

Side-ChainのSend/ReturnがXLRで用意され、StereoLinkのI/Oも1/4″で用意されています。

電源はIECが採用されていますのでお気に入りの電源ケーブルを使用することも可能です。

更にSide-ChainのI/OをInsertとして利用できるとのことで、Frontにも”INSERT”というボタンが用意されています。

 

基本的にはBlackFace Vintage 1176LNを再現したものなので分かる人には説明不要ですね。

実際の音にいきましょう。今回はVocal Recの時に試すことが出来ました。

今回の録音のクライアントはいろいろなスタジオで作業なさっている方なのでそのへんの印象も聞ければと思い、

許可をとってMC77を試させてもらいました。一目見て「やべー超カッケー!!」紫のパネル、好評です。

今回はMicはMojave Audio MA-201 fet,HAはISA430 mkII analogです。

ISA430mkIIのHA OutputからMC77へ入力しMC77のOutputからAD-8000へ、という流れです。

1176系は入力10時,出力が2時というのが基本ですのでまずそのへんにあわせてみます。

歌をもらいながらGRメーターとにらめっこです。このへんかな、

という当たりで簡単に確認してもらいますが、「うん、いいね!」と。早速録音です。

サビなどで声を張る感じになるとGRメーターも結構振れますが、さすがです。細くなる気配0!これが所謂「76系の底力」

以前試した1176よりも安定していて好印象です。

さすがにメーターが左に張り付くようになるとコンプ臭さが出ます。音のこもりと言うか引っ込んでいく感じでしょうか。

DAW上で波形のテイルが見事に揃うのが面白いくらいです。

スタジオワークの多いドラマーが

「聴いたことある音するね。これだったのか…。プロっぽい音だね。」と言っていたのが印象的です。